バスケットボールのバボさんの楽しいバスケノート

バスケットボールのバボさんです

素人による素人のためのゲームレポート〜‘18-’19Bリーグファイナル〜

特注選手の記事をもう一本…、と思ったのですが、筆休め、ということで…。

珍しくメモを取りながら観ましたのでやってみましょう。

ゲームレポートという形式は初めてかもしれませんね。

1Q

アルバルクが菊地選手を外して、馬場、田中の最大火力でスタート。

内容は互角も、カーク、馬場の連続ダンクで12ー6、残り6:02で千葉がタイムアウト

ゲームの入りで浮き足立った千葉がこの後、富樫とギャビンのハーフラインからの2メンゲームを軸に立て直す。

注目はこの時のスペーシング。他の3人がベースラインに位置することで、フロントコートの中間部分にぽっかり空洞を作る。図にするとこんな感じです。

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赤マーカーが富樫のシュートスペース、緑マーカーがギャビンがダイブするスペースです。

ギャビンのダイブに合わせるなり、富樫のスリーで終わるなりの割り切った戦法です。

昨シーズンの浅くセットされたピックではなく、しっかりと密着セットしたピックを使用する富樫とギャビンのコンビプレーを中々守れないアルバルク。このシーンは4Qで再現される。

16ー15、アルバルクリードで1Q終了。

2Q

西村でスタートした千葉に対して、ポイントガード田中で入ったアルバルク

西村のペースに田中が翻弄されるシーンもあり、千葉が3連続ゴール。3つ目は千葉待望の速攻ということもあり、アルバルク残り7:50でタイムアウト

タイムアウト明けで千葉がマッチアップゾーンのようなシステムのディフェンスに移行。さほど機能せずすぐに使わなくなる。

千葉の守備がまだ修正し切れない。戻りの遅さからドライブした田中を田口が腕を絡ませてファール。これがノーマルファールの判定となり、この試合は最後までアンスポ判定無しで進むこととなる。

ここでオフィシャルタイムアウト

オフィシャルタイムアウト明け、怒涛のオイサーが始まる。既に3Pを1本沈めていた田口が残り4:00に2本目をキャッチ&シュートで、続いてハイピックからのストップジャンパーで3本目を立て続けに決める。さらに残り2:05ローポストでボールを受けたギャビンから逆サイドのコーナーの田口へ4本目の3Pのアシストが通る。

このシーンは、千葉ビッグマンのペイントエリアでのアタックに対して、アルバルクの必ずダブルチームに行くという約束事の裏をかいたナイスプレー。しかしアルバルクはこのシステムを継続、これが試合を決める要素の一つでもある。

この間アルバルクは馬場のゴール下、ザックのステップバックスリーなどでつなぎ、千葉の反撃を許さなかった。安藤のリングへのアタックも成功し、富樫からアンドワンを取るシーンも。前半はとにかく、小島、安藤のリングへ向かう執拗な攻撃が目立った。

35ー33、アルバルクリードで2Q終了。後半へ。

ここまでで気になったのが、アルバルクのビエリツァ。この試合自体の流れについていけない印象を受ける。言い方が悪いが、この後もビエリツァは空回りを繰り返し、アルバルクの完全なる「穴」となっていく。

一方で、ここまでで登場しない選手の中で印象的だったのが竹内。ディフェンス、リバウンド、速攻参加(チャージング判定)と献身的に走るプレーが目立った。

パーカー、ギャビンがここまで、カーク、竹内に走り負けているのも気になった。(これが改善されるには4Qまで待たなくてはならなかった)

3Q

お互いスタートに戻す。ここでアルバルクが奇襲。ガードのピック&ロールからのスキップパスで竹内が3Pを沈める。直後にパーカーのダンクが炸裂するも、馬場のキックアウトから再び竹内が3P。

41ー35と差を広げる。たまらず千葉は早々に当たっている田口を投入。

しかしゴール下で田口がカークに3つ目となるファールを献上する。馬場のディフェンスを振り切れずシュートも打てなかった。

この後、この日のハイライトプレー、田中のエルボーからの右エルボーからのピック&ロール2連発が炸裂する。一つ目はマークがズレたことを確認しジャンパーで2点。二つ目はヘルプの動きを見てリングへアタック。アンドワンを取る。

これぞ田中のピック&ロールというプレーが出て、フリースローも沈めて田中はベンチへ。

ここでザック、ビエリツァを投入するが、ビエリツァが本当に機能しない。

それでも勢いは止まらず、馬場のスキップパスから安藤が3Pを沈めて残り4:31で54ー41。

この試合を通してなのですが、アルバルクのピック&ロールは2人の間のアタック以外にも、3人目に対するスキップパスがよく通っており、これがアルバルクの攻撃をスムーズにしていたと思われます。

この間、千葉の攻撃を支えていたのは原。サウスポーから放たれるフィンガーロールで連続得点。

原といえば3Pのイメージだったが、栃木戦でもこのフィンガーロールを披露しており、成長を感じさせた。(3x3の効果なのかな?と勝手に思い込んでいる)

必死に食らいつく千葉に対して、無情にも簡単にコーナースリーを沈めるザック。

1:43、ビッグゲームを左右する重要要素、リバウンドでビッグプレー。小島の2連続オフェンスリバウンドからのリターンパスでビエリツァの3Pを演出。

64ー45と一気に突き放して3Q終了。

4Q

千葉の逆襲が始める。

要因は以下の3つだと思っている。

・カークがついにギャビン、パーカーに走り負けし始める

・千葉が攻撃を1Qの富樫とギャビンの2メンゲーム&スペーシングに戻して勝負に出た

・栃木戦でも見せていたピック&ロールに対して仕掛けたブリッツがハマった

ブリッツについては図にすると

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ピック&ロールのユーザーの出口をスクリーナーのディフェンスが塞ぎます。

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ユーザーのディフェンスとスクリーナーのディフェンスで、ボールを保持するピックのユーザーを挟みます。

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このシステムで1番重要なのは上の図で、ダイブしたスクリーナーを他のディフェンスが(自分のマークマンが見える範囲で)チェックしに行く場面です。

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これがパスカットから速攻に繋がっていく感じです。

ここからアルバルクは我慢の時間帯。

〜リードが溶けていく中でアルバルクは〜

・これに試合のペースに入り切れないビエリツァもいるので結構辛い状況

・富樫とギャビンについては試合終了まで対応できなかった印象

・ブリッツについては3ポゼッション目辺りでスキップパスが通った辺りで崩せた、がしばらくシュートが来るまで我慢の時間帯。

3Qで作ったリードが溶けていく間にも一つ一つ対応していくアルバルク

残り1:56、69ー61、逆算するとここしかないタイミングで千葉が最後のタイムアウト

ここで西村との2ガードにするも、基本は富樫ーギャビンの2メンゲームで攻める千葉。

〜西村は富樫で崩せなかった時用のゲームメーカーだったと推測〜

リードを守りつつも残り26.5秒、富樫の3Pで69ー67、ついにワンポゼッション。

さらにハーフラインでビエリツァがターンオーバーも千葉がボールをコントロールできず。

ここでアルバルク最後のタイムアウト、残り16.9秒。アルバルクはバックコートからのスタートを選択。インバウンド後、ハーフラインのカークにボールが渡り、富樫がファールに行ってフリースロー

この判断は正解。なぜかこの日、カークのフリースローが大ブレーキを起こしていた。

しかし、ここでカークが本来の調子を取り戻して2本沈めて71ー67。希望を乗せた富樫の3Pは届かず、試合終了。

MVPはダブルダブルの活躍で馬場選手が獲得。アルバルク東京は平成最後、そして令和最初のBリーグチャンピオンとなりました。

ファイナルに相応しい白熱した試合だったと思います。現地で応援できた方はラッキーでしたね!

さあ明日は総決算!B2ーB3入替戦です!みんな頑張れ!