長い闇を抜けて
こんにちは。バスケットボールのバボさんです。
2020年2月22日。色々なことがありました。
色々については追々お話しするとして。
アスフレが2020年に入ってようやく勝利してくれました。
越谷アルファーズから同一カード二連勝というおまけつきです。
この日もタフな試合でした。振り返ります。
1Q
増子のシュートで先制します。タッチがいいとみるや、2P,2P,3Pの7点固め打ち。
彼については短時間で爆発的に得点するタイプなので非常に良いスタートが切れたと思います。
同じくスターター、相手エースのヒンクル選手を押さえるというハードミッションに、上手く入ることに成功した紺野が、自身のディフェンスから流れをつかみ3Pで続きます。
ここで越谷がたまらずタイムアウト。
その後、越谷の得点も動き出します。オープンシュートの確率自体はよかったです。
ただ、越谷の起点となるヒンクル選手を紺野選手がきつめのディナイディフェンスで押さえるなど、アスフレのディフェンスが機能していたので、オープンシュートそのものの数が少なかった。
そして、幸いなことに、たまたまオープンの3Pについては外れてくれていた、というのもあります。
これが前半のリードの要因の一つでもあります。1Qの段階で「越谷のオープンスリー、当たり出したら面倒だな」と思いながら見ていました。そして後半、このオープンスリーが火を噴きます。
2Q
昨季からメンバーが大きく変わらない越谷を知る男、木村選手の起用時間が長かったです。数字的には残りませんが、いい繋ぎをしてくれたと思います。
それにしても越谷は攻→守も守→攻も切り替えが本当に早いです。守りはバックコートから積極的にリバウンダーの手元を狙ってきます。この徹底ぶりは素晴らしかったです。守→攻も得点された後が特に早く、せっかく得点したのに直後にイージーバスケット、というシーンが多かったです。抜け目ないですアルファーズ(褒めてます)
一方、攻守共に順調にこなしていくアスフレでしたが、この時不安要素の蓄積が始まります。
攻守を引っ張る増子、紺野のファールが共に2つとなりました。3Qでこれが大きくのしかかってきます。
とはいえ、ここまでのアスフレの攻撃は良い時のそれを取り戻しかけていました。ゴール下まで増子がペイントタッチして、コーナーではなく、ウイングへキックアウト出来てました。近年のP&R→ペイントタッチ→キックアウトってコーナーに出す傾向が強いので、逆に狙われたりします。これをゴール下からマイナス方向のウイングに出す事でオープンを作れるのと、コーナーに張ってたディフェンスがヘルプにくればコーナーにオープンが生まれます。言葉だとわかりにくいので、
ドリブルハンドオフからのP&Rでゴールに侵入。すると、ディフェンスがローテーションしながらヘルプに来ます。
ウイングのディフェンスがコーナーも守れる位置にきた事を確認し、ウイングに向かってキックアウト。オープンです。
あわててウイングのディフェンスが戻ってきたら、コーナーにボールを落とします。今回はウイングで受けた久岡が、そのままオープンスリーを沈めました。
細かい所は違うと思いますが、おおよそこんな感じだと思います。
話がそれました。
とにかく、良い時の攻撃ができていた、という事です。
越谷も、B3時代から多用しているフルコートゾーンプレスでディフェンスに変化をつけますが、流れを掴むには至りませんでした。
2Q終了して49ー29とアスフレが大量リードを奪います。
(ハーフタイム)
多くも古いファンはこう思っていたと思います。「このリードは溶ける」
私もそうです。私はこういう展開のときに重要なのは「リードの溶かし方」だとも思っていました。
3Q終了時点で2桁リードできていれば粘り切る可能性が高まるはずだ、と。
3Q
後がない越谷はディフェンスの強度を上げてきました。
そんな中で、インバウンド時に越谷の選手が久岡に押されて倒れるという行動を見せます。
越谷サイドは「押してる。アームバーが動いている」という事を主張したかったんだと思います。
再度のインバウンドで同様のシーン。久岡がオフェンスファールを取られます。
営業マンボーラー越谷がコート上で披露したプレゼンが審判の心を掴んだようです。
その後、増子が3つ目のファールを犯し、ベンチに戻されます。ここで攻撃の要を失いました。
さらに直後、紺野が3つ目のファールでベンチに下がります。ここで守備の要を失いました。
増子の分を高山、紺野の分を仁平が頑張りますが、ディフェンスが落ちてしまう状況で、越谷のスリーが当たり始めるというWパンチです。
リードを溶かし切るわけにはいかないアスフレは、イシュのインサイドで加点していくのがやっとの状態。
そんな中、高山がエンドラインからジャンパーを沈めました。このシーンで蘇る記憶。昔からアスフレが3Qで苦しんでいる時、救ってくれたのは高山師門だった。大田区総合にシモンカモンがこだまします。
終了間際のテンディングでついに点差は9点に。しかし直後のベンチテクニカルで得たフリースローをイシュがしっかり沈め、ギリギリ10点差、69ー59で3Qを終えました。
この時、「苦しいが、まだ死んではいない、ここからが勝負」という心境でZboyzの応援歌を聞いていました。
4Q
スタートを主力温存で入ったアスフレ。
突然ですが、この試合で気付いたことがあります。
高木の3線の位置どり、良くないですか?翌日のgame2もそうだったのですが、高木のパスカットが多いんです。
バケモノ級の栗原の影に隠れている印象ですが、彼も身体能力が高いように感じます。
アスレチック能力を落とさないように、フィジカルを作っていければ、かなり面白い選手になると思います。
なんて事を思っていたら残り7分で5点差まで詰められていました。いよいよヤバい。
この時、終盤に向けてその牙を研ぎ始めたかのように、コートに戻った増子がアタックし始めます。
そしてオフィシャルタイムアウト明け一発目に、増子がVカットからフローターを沈めます。
しかし越谷の勢いはまだ止まらず、残り3分でついに越谷がリードを奪いました。
直後にナナが得たフリースローをしっかり沈め、同点でついていくアスフレ。再逆転のチャンスを伺います。
この後のディフェンスで増子が絶妙なヘルプディフェンスでボールを奪い、タフショットを沈めて逆転。
このまま逆転、と行きたいところでしたが、紺野がイリーガルスクリーンで4つ目のファール。
このチームのピンチを増子が守備で再び救います。再び絶妙なヘルプポジションからボールを奪い、自らタフなジャンパーを沈めます。
この男は本当に頼れます!これが我らのエースです!
越谷が最後のチャンスを外し、残り11秒でアスフレがボールを確保。直後に越谷はファールゲームに持ち込みますが、イシュがフリースローを全て沈めて勝負あり!
大量リードから押し切ることはできませんでした。けど今、彼らに最優先で必要だったのは勝利という結果でした。
苦しんで得た勝利は、血肉となり、彼らに自信と力を与えるでしょう。
そしてそれは、アスフレ民にとっても同じです。
何はともあれ、長い長い闇を抜けたアスフレ。幸せな春に向けて、ここからもう一度スタートです。